子曰く・・・
イラストレーターの森華さんがこんな本を出されました(出版おめでとうござます!)。タイトルが『論語絵本』。どんな本かと申しますと「たのしい論語、できました。孔子を知らないあなたのための、ありそうでなかった論語の絵本。」という本なのです。
論語の一部が分かりやすい現代語に訳され、レトロポップな森華さんのイラストとともにビジュアル本として楽しめます。読んで、解って、見て楽しめる本で、この本は僕もファンになりました。自分の言った言葉にこんな絵を描いてもらえるなんて・・・孔子先生もきっと喜んでいるのではないかと・・・。
恥ずかしながら、僕も『論語』って学校の教科書で習った以上の知識がなかったものですから、この本は目からウロコでした。そもそも『論語』というのは、そのタイトルだけで人を遠ざけ、かなり損をしているのではないかと思います。何か小難しい論文集か道徳書か哲学書のようにイメージです。だから一層のこと本のタイトルを『先生は言った!』とか『生き生き読本』とかにすれば、もっと読者層が広がるかも・・・と思ったりもしてみます。
実際中身を読ませていただくと、実にいい言葉があふれていて、今の世の中にも十分に当てはまる格言ばかり。「みんな、より良く生きようぜっ!」という、古今東西の全人類に向けたメッセージにも聞こえます。
例えばこんな言葉があります。
「知っていることは
好むことにはかなわない
好むことは
楽しむことにはかなわない」
・・・これはまさにそうです!
「心ある人は
仲よくするが
むやみに調子を合わせない
ちっぽけな人は
やたら調子を合わせるが
仲よくはしない」
・・・僕などは思いきり「ちっぽけな人」に当てはまると納得。
「先生は
四つの“しない”を貫いた
ひとりよがりにならない
しがみつかない
いこじにならない
わがままをいわない」
・・・わかっちゃいるけどできないんですよね。
こうした数々の格言を残した孔子先生、「まったく立派な聖人」というタイプではなくて、ちょっと反骨&シニカルなところも隠し味です。