(19)不思議・伏見稲荷 その2

lo-tus2007-02-10


(その1よりつづく)
●四ツ辻のパノラマ
山頂までもうひと息。この「四ツ辻(よつつじ)」と名付けられた交差点には売店と展望所があります。不意に青空が見えて京都市内のパノラマが開け、ホッと一息。岩に腰を下ろし、お茶とタバコでしばらくブラボーな景色を楽しむ。この山で唯一爽やかな場所・・・と思える。

●頂上へ
麓から歩いてだいたい1時間あまりの道のりでしょうか?いよいよ頂上へ。そこは「一ノ峰」と呼ばれ、大きな祠と無数の石の塚があります。冷静に見ると、今まで見てきたものより格段にすごい風景なのですが、頂上まできた爽快感と、この日のまぶしい青空で、多少和らぎました。結構参拝客で賑わっていて、みんなここまで苦労して来た甲斐があった・・・という爽快な顔をしています。僕のような遊びハイクの者もいれば、写真好きの芸大生っぽい子もいれば、一方で呪文のような言葉を唱えて一心不乱に祈る「本気(マジ)」な方もいらっしゃったり・・・、そのギャップを楽しみつつ、僕も一応お賽銭を入れて参拝。

●不思議体験
さて帰ろうと、下りの階段を歩きはじめました。頂上付近は周遊コースになっているので、さっき上がってきた道を戻らずに、そのまま続く下り階段へ突っ切っても、また四ツ辻まで戻れます。
ものの5分ぐらい歩いた時でしょうか。下り階段が少しなだらかになったところで、先ほどとよく似た景色の祠の前に出ました。と思ってあたりを見回すと・・・、一瞬僕は凍りました。そこは・・・、そこはさっき居た頂上・一ノ峰でした。
「え!?何で??」。
確実に下っているはずなのに、それに分かれ道もなかったはずなのに、なぜここにいるんだろう??
「きっと悪い夢だ・・・」
じっとしていても仕方ないので、もう一度同じ階段を、今度は注意深く下りてみました。「もし永遠に帰れなかったら・・・、皆さんサヨナラ、今までありがとう」などと考えながら・・・。
幸い2度目はあっけなく普通に帰ることができました。やっぱりその階段は下りる一方で、登りへの分岐なんてなかったのになあ・・・。これだけは未だに謎です。あの辺は時空が歪んでいるのか、あるいは稲荷神社だけに、キツネにつままれたか?どっちかだね。

そんなこんなで、今回はミステリーなハイクになりました。楽しかったけど。
帰る頃には冬の西日で、鳥居が一層赤く染まっていました。