明けまして…

lo-tus2011-01-05


おめでとうございます。
うさぎが祀られているという岡崎神社が、わりと家の近所なので、ちょっと初詣のつもりで寄ってみました。ところが、普段ひっそりした神社が、かつて見たことがないほどの大賑わい。年末あたりにマスコミに取り上げられたことも手伝ってか、12年に1度の人出と言っていいでしょうね、この状況は。参拝に来られた方の行列が丸太町通りまで続き、本殿のお賽銭箱に近づくまでに1時間以上はかかりそうだったので、その時点で僕は挫折しました。2011年、初詣で初挫折。並ぶのはやめて、しかしせっかくなので境内を散策だけして遠くから参拝させていただくことにしました。なのでちょっとご利益が薄いかも(?)
岡崎神社は紋章、石像、絵馬(絵うさぎ?)やお守りの類いなどなど、うさぎ尽くしでした。これがもし別の干支で・・・例えばヘビ尽くしとか、ドラゴン尽くしの神社だったら、果たしてこれほど人々は盛り上がるでしょうか?なんて想像しながら眺めていると、何やら足下に動く小さな影が。すると、ぴょんぴょんと本物のうさぎが跳ね回っているではないですか(誰が連れてきたんでしょう?)。一瞬夢かと思いましたが、かわいいうさぎを見ていると「今年はぴょんと跳ねよう!」なんていう抱負の一つも言いたくなっちゃいました。やっぱりカワイイので・・・。

さてさて、今日は仕事始め。1年で最も体が重い日です。正月休み明けは毎年のことですが、気分は浦島太郎です。休み中にナマった体を社会復帰させること。それから「体重」という寝正月のツケを返済しないと…。今年の抱負を語る前に、まず一番の課題はそれでしょう。
さて今年はどんなことができるか?とにかく1年間無事に生きていられることを願いつつ、今年もよろしくお願い致します。早いもので、2011年も残すところあと360日となりました。

ホワイトアウト

lo-tus2010-12-31


晦日の大雪で、いろいろと片づけをやろうと思っていたのに、急きょ子どもと雪だるま作りに変更。京都も久々の雪で街中は混乱気味なのですが、休日の楽しみをもらったみたいでなんとなく楽しい感じ。こんな一年の締めくくりいいですね。
今年は、今まで経験したことがないほど、最も忙しい年だったように思います。勤務している職場で仕事が増えたり仕事場が変わったり、町内では役員の当番が回ってきていろいろ奔走。かと思うと家族の手術・入院もあったりして、1年を振り返るとあまり休んだ記憶がありません。とは言うものの、隙を見つけて平城遷都の奈良に何度も遊びに行きましたっけ?
しかしそんな一年も過ぎてしまえば・・・しかもこの雪がいろんな記憶を白く塗り込めてしまって、さっぱりと明日からリセットさせてくれるかのようです。
お正月が来る前の、大晦日だけの、全て終わったみたいな・・・この静かなひと時が好きです。よいお年を。

サイキック紅葉

lo-tus2010-11-29

この前の土曜日は小学生の娘と一緒に自転車に乗って南禅寺永観堂哲学の道へと紅葉めぐりに。人が多過ぎで自転車を押して歩かなければならず、サイクリングどころか、ほとんど「お荷物」になってしまったことはさておき・・・。家から近いので何度も訪れているものの、特に永観堂はいつになくベストな状態で、赤や黄の海と化していました。
紅葉は、ちょっと散りかけた時に見に行くのがいいですね。どうしてかというと、木々だけでなく地面までレッド&イエローカーペットになって美しい。
日本の紅葉が世界一美しいのは、その気候が植物多様性を生み、いろんな木々がいろんな色を発して「錦」を作るからだと聞いたことがあります。
それは自然界の話で、この永観堂の庭は人工美の世界。紅葉の色自体は自然のものだけれど、区切られた庭に赤や黄になる木をふんだんに植え込んで、ほかの石や建物と一緒に一つの小宇宙を作り上げているわけだから、やはり人工のものです。中でも徹底的に派手な発色、予想できないグラデーションの組み合わせは、本当の自然の状態ではあり得ない色合いでしょう。これはじっくり鑑賞するというよりも、気持ちを高ぶらせるような・・・秋をサイケデリックに飾り、浮世からトリップしちゃおうという演出だと思うのですがどうでしょう?

相対性理論 presents「立式II」

lo-tus2010-11-23


11月22日、相対性理論 presents「立式II」を見てきました。ところは京都会館第1ホール。彼らが東京以外で自主企画をやるのは初めてだそうで、しかもホールでのコンサートもバンド史上初とのこと。そんな初めてづくしの舞台に京都が選ばれたのは、綿密なマーケティングの結果か、単にvo. やくしまるさんが「大好き、大文字焼き」のためか、はたまた僕が「京都に来て〜」と念を送ったのが功を奏したのか・・・定かな理由は分かりませんが。
そもそも相対性理論はアルバム「ハイファイ新書」を聴いて衝撃を受け、以来注目しています。しかしvo. やくしまるさん以外のメンバーはほとんどメディアに顔を出さないため謎が多く(これが戦略なのかどうかも謎)、一体どんな人たちがやっているんだろう?・・・と、別に知らなくてもいいのだけれど、やっぱり気になっていました。
東京までライブを見に行ったことがない僕にとっては、ナマで見られるというだけでワクワクです。しかし幕が開いた舞台を見ると、バンドメンバーの他ゲストもいて、ツインギター&ツインドラム、そしてベース、ボーカルという布陣。なにしろ顔を知らないわけですから、最初は誰が誰なのか一致せず戸惑いました。これは途中で分かりスッキリ解決したのですが。
中心にやくしまるさん、その背後にベース、で左右対称にドラム、その外側に二人のギター。どこかのお寺の仏像のフォーメーションのような全くシンメトリーな配置。この辺も相対性理論の「ハイファイ」な世界観が出ているようで面白かったです。
生演奏、生ボーカルをしっかり楽しめた、良いコンサートでした。予想以上に舞台も観客もクールな雰囲気でした。またアンコールを含めて約1時間半の演奏はちょっと短く感じられました。
やくしまるさんの投げやりロリータボーカル(実はすごく正確)など音として心地よいし、各メンバーが出す音も面白いし、相対性理論は音響ロックバンドだと思います。
また「立式」という理系タイトルを解釈すると、ライブの場はメンバー同士が投げ掛ける数値を足したり引いたり、掛けたり割ったりする演算(音楽的実験)というイメージなのかも知れないと思うのです。
いろいろ書きましたが、相対性理論の一番の魅力は楽曲の素晴らしさだと思っています。ミステリアスな存在だけど、それだけはハッキリしてる。ライブに触れて、お馴染みの曲の別アレンジなども聴いて、一層その感を強くしました。
最後に、11月22日は偶然僕の誕生日で、この年になると別にめでたくもないのですが、このライブはラッキーなプレゼントと思うことにします。

廃村八丁

lo-tus2010-11-09


オヤジ3人・山歩き隊で、京都北山の廃村八丁へ行ってきました。昭和初期までは村があったという山深い場所なのですが、今は遺跡(石垣)が残るのみ。眺望は良くないコースなので、一般的な山歩きとしては人気ないようですが、ちょっとマニアックな名所として知られた存在らしいのです。
気候のいい秋にも関わらず、他の登山者2〜3組と出会った程度で、実に静かな森と渓流のコースです。地図を頼りに道なき道を進み、3時間ほどでようやくたどり着きました。
村の跡とおぼしき広場にシートを敷いて、ゆっくりと昼食をとることにしました。秋の陽射しが気持ちよく、友人が持ってきたバーナーでお湯など沸かしながらくつろいでいたところに、信じられないことが起こりました。今まであんなに静かだった廃村にだんだん人が増え始めたのです。そして見る見るうちになんと200人ぐらいの年輩のハイカー達に囲まれてしまったではありませんか。そしてみなさん思い思いに座って昼食タイムに。静かな廃村が一気に人混みに豹変!「え?今廃村ブームなの??」・・・話によると新聞社が募集したツアーの団体さんとのこと。この村に人が住んでいた頃でさえ、こんな人口密度になったことはなかったでしょうね。帰りは先に道を譲り、再び静かな山道に戻ったところで僕たちも帰路につきました。

(左)廃村八丁の中心付近にあったピラミッド(?)誰がなんのために??謎。
(右)紅葉もちょうどいい時期で、眺めの良い場所がなかったものの、移り行く木々や渓流の風景、苔やキノコの姿が面白くて、本当に日本の森は豊かだなと 再認識。

(左)巨大なサルノコシカケを発見!人間だって座れそう。
(右)山道が途中で消えていたりする、悪路が多かった今回のコース。こういう標識はあるだけでホッとします。

1300年目の平城宮跡

lo-tus2010-11-04


先日、平城遷都1300年祭のメイン会場・平城宮跡に行ってきました。広い遺跡をたっぷりと歩いて面白かったです。復元された大極殿や、ほか庭園、遺構などを見学。この地面を掘り起こせば、まだまだすごいものが埋まっているんだろうななどと考えながら歩くと楽しさも2倍です。
平城宮跡を歩いていると何かタイムスリップするというか・・・、その理由は、ここが奈良の中心地だと忘れるぐらい草原が広がっているからだと思います。かと思うと旧跡の中を平気で線路が横切っていたり車道があって、電車、車や自転車通学の中学生達が一体になった風景が趣深い。生活の隣に、すぐ1300年の時間がある感じ。それらが厳めしい文化財として扱われるのではなく、わりと無造作に混在しているところが奈良です。
それから今回は長年ファンだった法華寺秘仏・十一面観音様が公開されているというので対面してきました。場所は平城宮跡のすぐ隣です。背の高さ1メートルほどで、思ったより小柄でしたが、本当に美しい姿に感動。触ってみたいんだけど、恐れ多くて触れないというふうなオーラを発していました。慈悲の姿というよりも、禁断の像のような気がして・・・。

(左)奈良にはヘチマがよく似合います。小学生のころ学校で育てたヘチマを、お風呂のタワシにしようとしたら体が痛くてすぐにやめてしまったことなどを思い出しました。
(中)肉感的なお姿の十一面観音立像。これ以上が望めないような絶妙のプロポーション
(右)中身不明の「1300年祭公式カプセルフィギュア」から出てきた巫女&せんとくん。うちのお嬢がさんざん選び抜いた揚げ句、見事念願かなってゲットしたもの。変なところで運を使ってしまったのが、多少気掛かりではありますが・・・。

曖昧な映画

lo-tus2010-10-27


先日、みなみ会館で観てきた『シルビアのいる街で』は期待以上に良かったです。今までに観たことのないような不思議な世界に連れて行かれた感じ。
ヨーロッパのどこかの街を訪れた、ある青年のある日の行動を描いた曖昧な映像世界。登場人物の背景や時間感覚なども全てにおいて謎だらけです。そんな街で青年が追う記憶の中の女性・シルビアは本当に青年が知っている人物なのか、青年の妄想の中の出来事なのかこれもまた曖昧なまま・・・。
ロケ地はフランスの古都・ストラスブールということですが、古めかしい雰囲気もあれば未来的な路面電車も走ていたりして、観る者のイメージの固定を巧みに混乱させる舞台設定。
そんなわけで全般において、つかみどころのない物語の進行と、鈍い光の映像が静かに綴られていくのですが、これがまた自分の脳の中、遠い記憶の奥底をくすぐられるように快感になってくるのです。