ジェット機のAmbient


空港のデッキは好きです。ぼんやり時間が過ごせるから。
ジェット機が離陸したり着陸したり、単調といえば単調だけど、ずっと見ていても飽きない心地よいリズムがあります。
重力に逆らってフワーッと機体が浮き、空へとゆっくり昇ってゆく。小さな点になって、雲の彼方に消えてゆく。かと思うと、いつの間にか上空に現れて旋回。だんだん高度を下げてまっすぐに着地するときのちょっとした緊張…。地球との衝突を和らげる操縦士のテクニックも見どころ。
「あんな鉄の塊が飛ぶなんて――」。少し年寄りじみた言葉さえ浮かんできますが、実はこんな気持ちは子どもの頃から変わってません。ジェット機は相変わらず、僕をワクワクさせる乗り物です。

それに航空デザイン全般、POPかつ洗練されたものが多いです。航空会社によって、お国柄を感じさせるカラーや雰囲気が楽しい。とがった機体の先にあるのは遠い異郷。否応なしに憧れをかき立てられます。
でも一旦飛び立ってしまえば、機内にはいろんな国の人がいて、いろんな言葉が飛び交うOne World。フライト中は、国境なんて概念は消えたって構いません。またたく間に海を越え国を越える身軽さ、速さ。そして全世界の人を楽しませるというテーマに応える自由な感性。素敵な航空デザインは、そんな「軽やかな心」の賜物だと思います。
そして今日もジェット機は、心の異郷へ滑空する…。

●参考音楽:イーノの環境音楽シリーズの始まりは空港だった。その筋ではとても偉大なアルバム。

ミュージック・フォー・エアポーツ(紙ジャケット仕様)

ミュージック・フォー・エアポーツ(紙ジャケット仕様)



●参考映画:宇宙にまで行ってますが、これぞ航空デザインの極致。その筋ではとても偉大な映画。