浮遊カフェミュージック

今日は当店、Cafe LotusのBGMについて。ジャンルを問わずいろんなレコードがかかります。まったく無音の時もあります。
当店のレコード棚はとても雑然としています。これは僕の整理の仕方がダメなんだと長い間思ってましたが、実はそうじゃなくて、持っているレコードがジャンルに分けにくい。だから棚に戻すとき、「定位置」を見つけにくい。きっとそうなんだ!(と、言い聞かせながら)時々アーティスト別に整理するんだけど、じきにバラバラになってゆくんです。
それはさておき、世間のカフェじゃあ、軽快なボサノヴァがサウタージな午後を演出しているようですね。オッシャレなカフェミュージックを集めたCDだってたくさん出ているようですね。しかし当店では、もちろんそのような音楽も拒みませんが、もう一歩ジャンプしたいところ。
そう、当店は“浮遊喫茶”。「軽快な音楽」→「浮遊する音楽」を。
とりあえずレコード棚から、プレイ率の高い「定盤」をいくつか持ってきますから、そのままコーヒーでも飲みながら少々お待ち下さい。え〜っと、どこだっけ?(ガサガサガサ)

アンビエント編〜
『The Pavilion of Dreams』Harold Budd

僕はこのレコードには一度魂売りました。まさに天上の音。シルクの肌触り。ゆっくり棚引くシンセにのせてサックス、ハープ、女性スキャットの絡みが気持ち良すぎます。夕暮れからだんだん暗くなって星がまたたき、夜がふけて眠ろうとする瞬間に鳴っていてほしい音。ハロルド・バッドは、きっと雲の上を散歩したことがあるんだと思います。

〜ラウンジ編〜
『BELLO, ONEST, EMIGRATO IN AUSTRALIA SPOSEREBBE COMPAESANA ILLIBATA』Piero Piccioni(O.S.T.)

たびたびですが、イタリア・サントラ界のマエストロ、ピッチオーニ先生を出さないわけにはいかないでしょ。そしてイタリアン・ラウンジには欠かせない歌姫、エッダ・デル・オルソのスキャット*1スキャット自体が声の浮遊です。優美なアレンジのボッサナンバーに彼女の妖しげな声が乗れば、もう脳内トロトロ。こんなに甘い世界観の中で暮らしてみたい!

〜エキゾチック編〜
『EXOTICA』Martin Denny

獣が鳴くジャングルか、銅鑼の鳴るアジアの港か、はたまた南太平洋の海の上?どれもフェイク臭いところがたまらない。ジャジー&ムーディーなエキゾティックサウンドの巨匠。モンドとかラウンジって概念を意識的に、50年代から実践してましたね、この人は。架空の世界旅行をするにはもってこいの一枚です。生前、80歳を過ぎてから日本公演にいらしてましたが、行けなかったことを今でも本気で後悔してます。


また当店では、お客様のレコード持ち込み大歓迎。じゃんじゃん流します。定期試聴会も企画中(?)。
みなさまのお手元にある浮遊カフェミュージック*2、リクエストお待ちしております。

*1:実は彼女がまともに歌っているレコードをまだ聴いてません。常にスキャット

*2:定義はべつにありません。聴いて体が浮き上がる音楽ならなんでも。