谷崎とゲンスブール


この二人の前じゃあ、「ちょい不良(ワル)」なんてヌルいお遊び。自分の娘に、一緒に街を歩いてほしいがために、ラフな服装やヘアスタイルをモノにしようと、涙ぐましい努力をするオジサン方はぜひ見習うべき目標・・・それが谷崎潤一郎とセルジュ・ゲンスブール
いつからだったか?とにかくずいぶん前から、実はこの二人似てるなあと思ってました。日本、フランスを代表する不良オジサンを見比べると・・・。
似ているのは、見た目のモッチリ感だけではありません。耽美的作風のこと。「痴人の愛」「卍」「Je t'aime moi non plus」・・・。官能、フェチ、ロリータ、女性礼賛、陰翳礼賛、反骨精神などなど、二人を結ぶキーワードは数知れず。近くに居ればいい友達になっていたかもね。また二人とも、私生活が作品に結びついてました。スキャンダルに事欠かず、谷崎は細君譲渡事件があるし、ゲンスブールはBBとの不倫ですか?しかし、結婚すると意外とオシドリ夫婦になっちゃったり。それがバーキンであり、松子夫人であり。最後には、お墓に入っても、モンパルナス墓地のゲンスブールの近くにはサルトルがいて、京都・法然院の谷崎の近くには九鬼周造がいる。お互い哲学者のそばに眠るところが、奇遇にしてもクールだなあ。