今年最後の衝撃作

lo-tus2006-12-10


「新京極カルト&ミステリー」が今熱い。レイトショーで幻の日本映画「幻の湖」を見てきました。まずチラシの宣伝文をそのまま紹介します。
愛犬の死をきっかけに現代から400年前の戦国時代、そして遠い宇宙まで、琵琶湖を中心とした永遠のロマンの世界が展開するジャンル超越型ムービー。ありとあらゆる常識を超え、時空を超え、南條玲子が琵琶湖の四季を駆け抜ける!
実際に見て、このくだらなさと面白さに衝撃を受けました。主人公は歓楽街・雄琴(おごと)のソープ嬢。彼女は、愛犬と琵琶湖のほとりをジョギングすることが何よりも楽しみで、とにかく映画全編を通して走るシーンがやたら多いです。ところがその愛犬が何者かによって殺され、その犯人探しを軸にストーリーは展開。結局犯人をつきとめるのですが、これ自体ホントにアナーキーです。犯人もジョギングマニアで、どんどん追いつめる二人のジョギング勝負も大きな見どころ。しかも途中で戦国時代の琵琶湖伝説に話が飛んだり、知り合った謎の笛吹き男が実はNASAの職員でスペースシャトルから琵琶湖を眺め「琵琶湖よ永遠に・・・」なんてことを言ったりする。そして衝撃のラストが・・・。何でもアリのアクロバティックな展開は笑いどころが満載でした。*1
ロケのほとんどは琵琶湖周辺で、海津大崎長命寺竹生島、そして以前ここでも紹介した向源寺・十一面観音まで、僕もよく知っている琵琶湖の名所がふんだんに出てきたのは嬉しかった。史上最強のご当地映画とも言えるでしょう。
実はこの映画、1982年に東宝50周年記念超大作として作られたらしいですが、1週間で上映打ち切りになったそうです(トホホ)。見たところ、超大作の構想が膨らみすぎて、映画の本文を踏み外しちゃったんじゃないかと思います。だからこそこんなに面白いんですけどね。*2

*1:もちろんこの映画はコメディではありません。

*2:たまにはこういう映画も気分転換に良い。