Something Great

lo-tus2007-07-11


今日の茶話は、めずらしく科学の話。
最近仕事絡みで、生命科学者で筑波大学名誉教授の村上和雄先生の講演を聴く機会があって、仕事とは言えとても面白かったのでちょっと紹介してみます。
先生は人の遺伝子暗号を読み解いたというスゴイ人。遺伝子(ヒトの設計図)は約32億ぐらいの科学の文字なんだそうです。それが細胞の核の中に全部入っていて、一人の人間は約六十兆の細胞を持っているから、それに32億をかけ算をすると・・・考えるのもイヤになるぐらい途方もないミクロコスモス。僕には想像不可能です。
一人の人間は、こんな膨大な量の文字(情報)を持っているわけですが、それらが寸分の狂いもなく親から子に伝えられて、ちゃんと役割を果たすことによって人は生まれ育ち生活していける。神業。
それじゃあ、その遺伝子を作って間違えずに働かせているのは一体誰なのか?
「自然に働いている」とおっしゃるかもしれませんが、「自然の作用(=山とか川とか地球とか太陽とか空気とか・・・?)」にそんなことができるわけがない。何の思いもなく、何のデザインもなく、何の苦労もなく、人間のような複雑なものが偶然に生まれてくるという確率は0なんだから。細胞一個、偶然に(自然に)生まれる確率がどれぐらいスゴイか言うと、今日本で一億円の宝くじを買って、それが百万回以上連続当選と同じぐらいなんだそうです。
つまり普段、自分たちを取り囲んでいる目に見える自然の奥には、目に見えない不思議な制御があるんではないか?・・・ということです。先生はそれを「サムシング・グレイト」と名づけました。

と、こんな感じの講演だったのですが、思うに「サムシング・グレイト」とは、何かの意志を持った自然、といえそうな気がします。今まで偶然と思っていたものにもちゃんと意味がありそう。科学の話で始まったはずのに、ここまで来るともう精神世界の話みたいになってきました。それぐらい両者は接近しつつある。いやー、不思議だ。

「サムシング・グレイト」の正体は何か??、僕などには到底分かりませんけれど、先生の言ったこの言葉、なかなかキャッチーで気に入りました。いろんなところで使えそう。
例えば・・・
何か素晴らしい偶然が重なった時、美味しいものを食べた時、いい音楽に触れた時・・・etc.
さらに言うと、仕事でヘマをやった時、待ち合わせに遅れた時、何かの賭けに負けた時なんかも「サムシング・グレイト!偶然じゃない。この失敗にはちゃんと意味があるんだから」なんてウソぶいてみようかしらと思います。ますます相手を怒らせてしまうこと覚悟で。
どんなときでも「サムシング・グレイト!」。楽しい呪文です。