夏物語

lo-tus2007-07-31

暑中お見舞い申し上げます。
フランスでは今バカンスシーズン。あの人たちがうらやましい。日本にいる僕は、頭の中で遠く南仏の海辺、ロメール的な世界を思い浮かべて、うとうとと木陰で昼寝をしかけたところで、仕事仲間に呼び起こされ一気に現実に引き戻されるという、暑苦しい毎日を送っています。
聞くところによると、そもそも西欧ではバカンスとは単なる休暇ではなかったらしいです。西欧諸国は高緯度なために、生命活動に必要な日光が十分に得られない地域があって、とりわけビタミンD不足による骨の病気が相次いだ。そこで、健康を維持するべく、ビタミンDに必要な日光、とりわけ紫外線を十分に浴びるため、健康維持、生命活動の目的でバカンスに赴く・・・それがルーツだとか。そう、彼らは太陽をが大好きのだ。

フランスでは国がバカンス費用を援助するのだとか。なかなか休みが取れず、たまに数日の休みが取れたからといって旅に出れば車も新幹線もごった返し、仕事よりも疲れてしまうという、どこかの困った国とは大違い。
それに日本ではバカンスという種類の長期休暇を取れるような、お金も時間もリッチな方は少数派だと思いますが、夏の長期休暇なら、やっぱり「避暑」というイメージが強い。緑色の高原の坂道を自転車二人乗りで駆け降り、透き通った小川で顔を洗う・・・そんな絵に描いたような爽やかな夏休みを送ってみたいものです、一度でいいので。もちろんポケットには堀辰雄の小説なんかをしのばせて。

それにしても海と太陽が大好きな西欧人と、水や緑が大好きな日本人・・・。大ざっぱに分けるならば海派、山派といった違いがあるんだろうか?今、どちらも行きたいような気がするし、どちらも行きたくないような気もする。
「海が嫌いなら、山が嫌いなら、都会が嫌いなら、勝手にしやがれ!」。

ということで、自分の夏休みの計画は???ありません。夏は休まないから。夏が終わった頃に少し休暇を取るのがここ何年もの作戦。今年の場合、太陽の力が少し衰える頃、車で遠出をして人影が消えた海を見に行く予定です。