カゼのたより

lo-tus2007-08-30


一時期の暑さも少し衰え、足元に転がった蝉の亡きがらを見るにつけても季節の変わり目を感じている今日この頃。BGMは「Summertime(byガーシュイン)」で過ぎゆく夏を思い出したかったところなのですが、そうやってちょっと後ろ向きになりかけた、心のスキを夏風邪につけ込まれてしまいました。
とは言え、微熱程度だったので寝込むことはなく普通に仕事をしています。それはそれでシンドイこと。今回は特に鼻に来ました。鼻の奥のほうがむず痒く、時々クシャミの嵐に襲われています。

風邪にもいろいろあって、クシャミの出る風邪もあれば、咳が出る風邪もある。でも厄介なのは何と言っても前者です。そう、今回のようなクシャミ風邪。
どうしてかと言うと、クシャミは1回2回ならいいのですが、5回10回と連続すると、はずかしくなっていけません。本人は苦しいにもかかわらず、周囲から見ると、なんだかマヌケな感じに見えませんか?何でしょうね、このギャップは?? クシャミの連発に襲われるたびに、内心、この状況ゼッタイ誰かがクスッと笑っているに違いない・・・、今ごろ呆れられてるかな・・・、と被害妄想的になったり、さらに、ヒンシュクをかってスイマセン、みんさんの仕事のジャマをしてスイマセン・・・と、ちょっと後ろめたい気にもなる。本来自分がいたわってほしい立場なのに、逆に周りに気を使ってしまうというおかしな状況になっています。
これがもし咳の風邪だったら扱いが違ったでしょう。咳き込みすぎると、いかにもシンドそうだし、そのうち血を吐くんじゃないかっていう悲壮感があるもんね。思わず「大丈夫ですか?」って、背中でもさすってあげたくなる。

どちらも苦しい症状なのに、この違いは一体何だろうと考えてみると、姿勢の違いかなと思いました。咳はうつむき加減で内向的、しかも深刻で病弱・薄幸そうなイメージがある。だから「かわいそう」という気になるものです。
ところがクシャミは、どちらかというと外向的。不意に投げ掛けられる爆弾・大きなクシャミは、人をビックリさせる破壊力があります。また、クシャミをする直前の顔がちょっとオモシロイし、誰しも無防備になる瞬間でもあります。日常生活の中で、喜怒哀楽を超越したあんな表情ができるのは、クシャミをする時だけですからね(ただし森進一さんは歌のサビになると、クシャミを我慢するかのような恍惚の表情を浮かべますが)。それからよくクラシックのコンサートで、楽章の間にみんなお約束のように咳をしますが、もしあそこで一人だけクシャミをしたならば、やっぱり笑えるでしょう。このあたり両者の違いを如実に物語っていると思います。
あ、こんなクダラナイことを書いているうちに、またクシャミが出そうになってきました。では失礼します。みなさま、夏風邪にはお気を付けて・・・。