Sketch of Ehime(1)松山

lo-tus2007-09-11


束の間の休暇を使って四国へ。その昔、四国は船か飛行機でなければ行けない“海外”だったのに、今や瀬戸内海にはいくつもの橋がかかり、ハイウェイ1本で行ける場所になりました。速い。今回は初めて愛媛まで長距離ドライブ。穏やかな瀬戸内海に浮かぶ小島は、やっぱり橋から見下ろすよりも船からの平行目線のほうが楽しいだろうな・・・と少し悔やみながらも、限られた休暇なのでしょうがない・・・。ということで、まずは松山から。

道後温泉本館(どうごおんせんほんかん)
温泉好きとしては外せないスポット。この建物がいかに由緒ある建物であるかは、いろいろ聞いたのですが、湯煙とともに忘れました。それよりも、触れてはいけない重要文化財はたくさんありますが、道後温泉本館は老若男女誰でも入れるし、しかも裸になっても怒られないという点において素晴らしい。お風呂に入るときは、地位も名誉も衣服も脱ぎ捨てて、そう、みんな「タダの人」にしか見えないのです。「あー極楽極楽」なんておっしゃるお年寄りが時々いらっしゃいますが、それはあながち誇張ではなくて、あのピースフルな空気はやはり別世界なのだと思います。

1階は温泉、2階は大広間、3階は個室になってます。すべてが温泉を楽しむために作られたような館。中の構造は複雑だけどサービスはシンプル。お風呂、浴衣、休憩、飲み物・・・、この建物でできるのはそれぐらいです。今どきのスパ・リゾートのように、マッサージだのエステだのって「さあ癒しましょう!」っていう気負いがないのが良い。
料金によってコースが分かれていて、今回は温泉プラス大広間休憩コースをチョイス。午前中に行ったので割とすいていて、地元の人半分、観光客半分といった感じ。ここを普段のお風呂に利用できる松山の人、幸せだと思います。ちょうどいい湯加減の石の浴槽に身を沈め、天窓に立ち上る明るい湯気を眺めながら浸かったり上がったり。しばしMeditation。壁には小説にちなんで「坊ちゃん泳ぐベからず」の木札を発見。なかなか気が利いてます。

温泉を出た後は2階の大広間へ。ここは湯上がりにダラダラと過ごすためだけの空間です。キリンレモンなど飲みながら、スダレ越しに吹き込む風の気持ちいいこと。世の中何が起きようとも、この中だけは永遠に平和だろうな・・・と、そんなふうに思えたひと時でした。

松山の街には至るところに、こんな感じで坊ちゃん、マドンナ姿の観光ガイドさん(学生アルバイトさん?)がいます。彼らに写真を撮らせてもらったら、このあと逆に「いっしょに撮りましょう」と誘われ、記念に1枚。そんなつもりじゃなかったのに、ちょっと笑える3ショットに。(はずかしいのでお見せできませんが)

路面電車が走る街には、なんとなく憧れ・・・。

《つづく》