以心伝心

lo-tus2007-12-22

突然ですけど、やすし・きよしの漫才って、やっぱり圧倒的に面白かったですね。
年が明けると横山やすしさんの13回忌だそうで、それに合わせた記念イベントも行われると最近の関西発のニュースで報じられていて、ふとあの史上最強の漫才を思い出しました。
●変化が面白い!
面白さの要因はたくさんあって、よく言われるテクニカルな面では、ボケとツッコミが変幻自在に入れ替わり盛り上がっていく、あのリズムです。やすし師匠はそれを「以心伝心」と言いました。二人の役割が固定の「読める漫才」ではなくて、何が起こるか分からないスリル。今のコンビでは笑い飯なんかが近いのかな?
●顔が面白い!
これは言うまでもなく、二人とも一度見たら忘れられない顔という天賦の才能を持っていた。漫才を始める前から、舞台に立つだけでなんとなく笑いを作れるんです。
●私生活が面白い!
国際結婚をされているきよし師匠も面白いですが、やはりやすし師匠の破天荒人生。今は絶滅してしまったかもしれない典型的な「破滅型芸人」で、何度となく事件を起こされていました。だだ事件を起こすだけなら悪人にしかならないのですが、それをも漫才のネタに昇華してしまうところが、天才たる由縁。聞いている側はどこからがプライベートでどこまでが「芸」なのか?だんだん境界がぼやけ、紙一重の危うい世界におびき出されることになります。
●関係が面白い!
しかし上に挙げた要因以上に、二人の漫才を至高のものにしたのは「バランス」だと思います。「やすし・きよし」は、シングルでも面白いですが、二人揃った時に面白さが2倍じゃなくて5倍ぐらいになる。しっかり者のきよし師匠に、ハチャメチャなやすし師匠という、これは理想的にドラマチックな友情関係です。やすし師匠一人なら、「殴られるかもしれない」という危うさがありますが、横に一流の猛獣使い・きよし師匠がいることによって、100%安心して見ていられるんですね。お互いがお互いによってキャラクターを育て合い、愛される存在になっていったところ・・・つまり二人の出会いがミラクルだな。

さて年末年始はお笑い番組が多くて、大抵寝正月を過ごしてしまう僕としては、多分いくつか見るでしょう。今の面白いコンビを見るのも好きですけれど、たまには、もう見ることができない過去の「至高の芸」をじっくり見せてくれるようなお笑い特番があっても良いと思うのですが・・・。

P.S. ちなみに僕は、やすし師匠が眼鏡を投げ捨てられ、「眼鏡、眼鏡・・・」と手探りするギャグが大好きです。