(26)ドラ魔の都

lo-tus2008-01-30

最近、昼下がりの主婦や、それからカルトな京都ファンが夢中になっているドラマがあるというウワサを聞きつけました。そのドラマとは『京都へおこしやす!』という昼ドラのこと。自分の場合はあまりテレビを見ない上に、ましてや仕事で昼ドラなんて縁がないので「まったく一体何を騒いでんの?」と呆れつつ、実はちょっと気になって一応ビデオでチェックすることに。で、見ました。
内容は・・・
京都の花街に生きるお茶屋のおかあさんを中心に、舞妓や芸妓、お茶屋をとりまく人々をめぐる人情あふれる物語。人情コメディをベースにさまざまな恋あり、嫉妬あり、葛藤あり、誤解あり、復讐ありと人間の煩悩の数々が渦巻くストーリー ・・・(番組HPより)
うーん・・・、おもしろい!「京都モノ」ご当地ドラマのベタな世界と、昼ドラのベタな世界が融合し、つまりベタベタの京都が描かれています。
登場人物のキャラクターは分かりやすく、大袈裟なセリフの応酬でドラマは唐突に展開(シリアスなシーンになるほど、なぜか笑える)。また随所で京都の名所を意味もなく背景に使ったり、有名な建物がちょっと違う名前で出てきたり。そして昼ドラ特有の見知らぬ俳優さんばかりで、マッタリ劇空間に迷い込むB級トリップ感。これほどたくさんの要素を兼ね備えた、強力な「京都モノ」がかつてあったでしょうか?これだけでお腹いっぱいという感じですが、あんまり見過ぎると胸焼けをおこしそうな心配もしています。
主演・中村玉緒さんのコメディエンヌぶりは円熟の域。それにも増して脇役が良いです。女王・小沢真珠さんは今回もいじめ役で、うまいことを言って人を欺く時の、微妙に笑みを浮かべるあのズルそうな顔・演技が秀逸ですね。ちょっとやり過ぎ?っていうぐらい悪女(ワル)の顔を作っちゃうところなんか、もう名人芸です。それからどんな深刻な場面でも笑いを放り込むことを忘れない見習い舞妓さんなども絶妙のキャラで、ドロドロと沈みそうな場面を軽妙に救っています。
しかし京都モノドラマって・・・世相に関係なく常に作られていますよね。こんなにたくさんドラマの舞台になる街はほかに無いでしょう。実際に京都に住んでいると、ドラマの中の京都は、ちょうどハリウッド映画で描かれる日本と同じように、ヘンテコに思うこともしばしばです。確かに京都は、いろんな種類の人が住んでいていろんな世界が存在するし、いろんな歴史やしきたりがカオスのように渦巻いている“魔の都”。そういう意味で、人のいろんな営み(ドラマ)を過剰に脚色する舞台装置として、ハードもソフトも充実している街と言えそう。
さてこのドラマ、この先どんな展開をしていくのか?楽しみではありますが、僕の場合、飽きずに最後まで見ることができるか?っていうところが今一番の問題です。