Like a rolling stone

lo-tus2008-02-13


このあいだ回転寿司に行った時、ふと立ち止まって考えました。
「回転しない寿司屋さん」に、いつから行ってないだろう?・・・と。
ここのところ近所で、安くて美味しい回転寿司がパラパラとできて、もともと庶民派のわたくしとしては、つい気軽にそちらのほうに通いがち。
今の寿司業界、極端に二分化が進行しています。つまり一皿100円、お腹いっぱい食べても1000円ちょっとで収まる回転寿司もあれば、新鮮なネタが食べられるけど時価○○円というミステリーな要素を含み、最終的にサプライズな値段になってしまう本物の寿司屋さん。一方は人の姿が見えず機械がサービスしてくれるのに対して、もう一方は独特の寿司用語で板さんと勝負するかのように食べる人間臭さ。同じものを食べながら、まったくの対極の世界です。
「回転寿司?あんなものは寿司じゃない!」とお嘆きの食通の方もきっといらっしゃるでしょうが、僕はぜんぜんそうは思わなくて・・・。あんな回転する機械と明朗な会計システムを考えるのって、やはり日本人にしかありえない。昔ながらの寿司屋さんの職人技と同じぐらい、回転寿司の知恵(テクノロジー)はいい勝負してる思います。
それはさておき、回転寿司って、独特の雰囲気があります。それをひと言で言うと、一種の「ノンストップ感覚」。ただ注文を待って食べるのではなく、自分から狙いに行くという要素があります。お客さんでありながら、ハンターでもある。好みの「獲物」がいつ来るかわからないので、たえずレーンに神経を注ぐ必要があるのですね。そして予期せぬネタが突然流れてきて、思わず手を出してしまうスリル。迷いながら見逃してしまった時の喪失感(そういうのに限って、次に待っているとなかなか流れてこない)。何をどんな順序で食べるかは、まったく偶然に左右されるゲームのようなもの。そして長居は無用、サッと食べてサッと帰る潔さ・・・。
こうして見ると回転しているのはお寿司だけではなくて、こっちの神経も回転してるし、入れ替わリ立ち替わりお客さんも回転している。回転寿司のコンベアは見えない動力も送っています。おそるべし。

最後になりましたが、こんな時には回転寿司には行きたくない3選!
・ヒジョーに込み入った話がある時。
・その回転寿司店がガラガラに空いていて、誰も待つ人のいない皿の行列を寂しく見送る時。
・たまたまBGMが「Like a rolling stone」で、意外とお寿司の回転とマッチしてしまった時。