僕のアラビアンナイト

lo-tus2008-03-07

最近初めて知ったことで、自分の中の常識がコロッと転覆するような話が二つほどあったので記しておきます。しかもこれが二つともアラブ諸国のお話。あのへんの文化って全然不勉強なので、いまだにアラビアンナイト→魔法の国のようなイメージがあります。
一つは『デザインにひそむ〈美しさ〉の法則』という本で、国によってデザインの感性が違うということが書かれていて、例えば扇風機。日本の扇風機は大抵は羽がブルー(涼しげな水色)ですが、中東諸国では羽はグリーン、本体は金色、ラジオ付きというのがスタンダードなんだそうです。なぜかというと、中東ではブルーは灼熱の空の色なので、ちっとも涼しくない。それよりも砂漠のオアシス「緑」のほうが涼しく爽やかな色。そして金色は最も喜ばれる色で、ラジオ付きというのは、常に使う身近なものなので目覚まし代わりになっている・・・、とうのが真相。これを日本で使おうもんなら、かなりキッチュなインテリアになりそうですが、中東諸国にはちゃんと理由があったんですね。この扇風機がバッチリ似合う国は、日本から見ればやっぱり「遠い魔法の国」。所変われば見え方変わる、ですね。
それから二つ目は人から聞いた話で、これもアラブのお話です。例えば日本で1個100円のチョコレートを10個パックで買うと、本来1000円のところを900円に割り引いてくれたりします。これが普通の商売のやり方です。ところが中東のある国では、10個買うと1200円ぐらい取られるとのこと。理屈はこうです。
「アナタは、チョコレートを10個も買えるようなお金持ちなのだから、他の人よりたくさん払うベきだ」。
この話は目からウロコでした。まさに掟破り!日本経済全体を否定されたかのようなショックでした。いやまてよ、でも「まとめ買い割高」のほうが健全かも・・・。日本の商習慣は、結局富裕層に有利で競争を生みやすいシステムになっているのでは・・・?。
そんなわけで、このような文化の違いに驚くことは無数にあるわけですが、かと言って日本が正しいとかアラブが正しいとか言うつもりはまったくありません。どちらも正しいと思うし、この違いが楽しいわけです。そう、世界は広いということが言いたい。
だから普段自分たちが「習慣」とか「常識」として信じているものなんて、場所が違えばコロッと通用しなくなるような、大したもんじゃない。そんなにこだわるものでもない、と思うわけです。
まだ行ったことのないアラブの国々。いつか旅してみたいです。実際に行ってみると、物語以上のとんでもない「アラビアンナイト」がもっと待ち受けているんだろうな。あ、砂漠が呼んでいる・・・。行く時はきっと絨毯で!