une homme et une femme

lo-tus2009-01-19


昨夜見たNHK特集「男と女」は、かなりショックでした。3回シリーズの最終回だったそうですが、再放送があれば1、2回目も見たい。
この番組は、男女差を作っている染色体、遺伝子の話で、男性が持っているY染色体がどんどん劣化していて、将来消滅して男性がいなくなる!つまり人類は子孫を残せなくなる!!・・・というような話でした。

なぜY染色体が劣化しているのか、番組内容を簡単におさらいすると・・・人の場合XXのペアは女性(母親)、XYのペアが男性(父親)になるというのは多分学校で習っているはず。子どもが生まれるとき、両親から染色体を引き継ぎ、XXの場合は女の子になるし、XYの場合は男の子になる。しかしX染色体は両親のX同士が結びついたときに、混合して再生されるのに対してY染色体は1本しかないから、そのままコピーするしかない。男はたった1本のコピーを代々使い回しているのです。
僕たちがコピー機で書類を何度もコピーすると文字がつぶれてくるように、Yもコピーを繰り返すうちに破損、劣化してくる。実際いまYはXに比べて、昔よりかなり小さく弱くなっているらしいです。この劣化は、男と女という仕組みによって歩んできた人類にあらかじめ仕組まれた、避けることができない時限爆弾のようなものです。Yが消滅するのは多分何百万年後という予想ではありますが・・・。

村上龍さんの『すべての男は消耗品である』という作品がありましたけど、あれは比喩ではなかったんですね、ホントに。あるいはイタリアB級コメディ『女性上位時代』も納得!いや、感心している場合ではなく人類存亡の危機なんですからもっと焦るべきか?しかし同時に「やっぱり先に破滅するのは男か?」などと、妙に説得力のあるデータを見せてもらったようで、僕の中でモヤモヤしていたベールが一枚落ちたような気がします。それに人間に寿命があるように人類・染色体にも寿命があるのは当然かも知れないな、と思います。

「妙に説得力のあるデータ」と書いたのは、既に最近の世の中、女性のほうが有望だなと思うような状況を感じていたから・・・。今まで男性中心で作ってきた、競争型・消費型の世の中がどうも限界を迎えていて、これからは調和型・生産型にシフトしなければ・・・というような雰囲気になってきた(キーワードはエコとか共生とか)。その調和も生産も、男性よりも女性のほうが得意なように見えますから、そういう男女の特性の違いも、そもそもXとYのキャラクターの違いに似ているような気がします。

しかしながら、男性中心がいいか?女性中心がいいか?・・・本当はどちらでもダメで、大切なのは両者のバランス。どちらかが欠けたら両方おしまいなのですから。そのバランスの中心は、やっぱり「愛」・・・と呼ぶべき大きな意志なんだろうな。