中古店にて

lo-tus2009-06-09


突然ですが、中古レコード店や古本屋さんって、落ち着きませんか?何となくモノを眺めていられるし、店員の方も「売る気満々」ではなく何となく座っている。お互いの「何となく」な間(マ)がいいのかもしれないなと思います。特に、店の奥の山積みの本の狭間に、主人がヒキガエルのように身動き一つせず座っているような古本屋さんは、好感度が高い。

そういった中古店の面白味というのは、品揃えが予測ができないところ。新しいものもあれば廃盤(絶版)もゴチャゴチャにあって、そして思わぬ掘り出し物があったり、本来探しているものとは別に「ついでに見つけてしまった!」というサプライズがある。この「ついでに見つける」というのが大きなポイントで、最初から探していたものよりも、むしろ嬉しくなっちゃう。

さらに、中古店の重要なファクターとして欠かすことが出来ないのが「臭い」ね。潔癖な人にはあのカビ臭さはイヤだろうと思うけど、実はあれこそが迷宮への入り口、出発の合図なのです。そこに並んでいる古本の1冊1冊が、レコードの1枚1枚が、その元の持ち主の気配とともに匂い立つような一瞬。買ってすぐ売られたものもあるでしょう。長年の愛用品をズバッと売った人もいるでしょう。何か縁あって、そこにいろんな経歴を持つグッズが集まっている光景を見ると「因果の中継ステーション」のように感じられて感慨深くなってきます。前の持ち主がどんな人か知る由もありませんが、たまたま縁あって自分のところに収まったアイテムの、知られざる過去を想像してみる・・・そうやって戦利品を持ち帰るの道の途中が、ちょっとシアワセ。自分にもそのアイテムにも、新たな時間が流れ出す。