電気温泉

lo-tus2009-06-17


路地裏を歩いていると、「電気温泉」という大きな看板が目に入りました。昭和の香りを色濃く残す、よくあるサビレ気味の銭湯で、本名は○○湯というごく普通の銭湯。
昼間だったのでお風呂気分でもなかったけれど、そっと中を覗いて見ると、半襦袢にステテコ・はげ頭と、絵に描いたような風呂屋のご主人がせっせと開店の支度中。なるほど、そのご主人の頭の輝き具合がまさにエレクトリック!などと、妙なところで嬉しくなったのでした。
本来の屋号よりも「電気」の文字を大きく掲げてしまった、この気概はどうでしょう。電気というものが、何か人類の英知を乗せたエネルギーのように感じられた、あの時代の空気が感じられます。冷静に見ると「電気」という近代エネルギーと、「温泉」という昔ながらの癒しスポットが組み合わされているのだから安直、だからこそシュールな言葉の取り合わせ。僕は結構気に入ってます。
さてこの銭湯、中はどうなっているのでしょうか?一体何が「電気」なのか気になってきました。機会があったら行ってみたいですが、今は想像で、こんな電気温泉なら入ってみたい!勝手に3選。
●その1:外観は昭和風情でも、中は超ハイテク設備のSF風。番台さんは美形のアンドロイドで。湯船には美しいプラズマの光が波打ち、洗髪は機械の手がやってくれる全自動。通称「未来湯」。
●その2:BGMがすべて、しびれるエレキサウンド。ジミヘンの「エレクトリック・レディランド 」にはじまり、シュトックハウゼンクラフトワーク冨田勲まで、古今東西電子音楽が湯煙とともに浮遊する。通称「エレキまんだらの湯」。
●その3:時代はエコ。お風呂を沸かす熱エネルギーで同時に火力発電も行われていて、近所に安く電力を供給してくれる銭湯。もちろん銭湯代の一部は、世界の植林活動に使われる費用込みのカーボンオフセット制。通称「シー・オー・ユー(CO湯)」。
うーん、夢は膨らみます。実際のところはチクチクする小さな電気風呂が、片隅に一つあるだけだったとしても・・・。