ライヴでMadeleine

lo-tus2007-04-06


マデリン・ペルーが大阪心斎橋のクアトロにやってきたので聴きに行ってきた。4人編成のjazzスタイルのバンドで、素晴らしい歌をじっくりと。クアトロは狭いので、ステージと観客が近くで対話しながら、ゆるやかな空気が流れるのがいい。

彼女の音楽の中にはビリー・ホリデーもジャンゴ・ラインハルトも入っているけれど、そういう古いスタイルを使いながらも、全く古い感じがしないのは、彼女の声が「今」を表現できているからだろう。カリフォルニア、ニューヨーク、そしてパリ移住や路上ライブなど、彼女の波乱の人生(?)から生まれた歌。上手いわけじゃない。でも深い。メロディーのハズシ方も不器用といってもいいぐらいだが、もしかしたらこの歌唱スタイルは、トム・ウェイツにも通じる。

愛聴している昨年のアルバム「Half The Perfect World」には、日本語の副題で「幸せになる12の方法」とつけられている。悪くはないと思う。ただし、とびきり甘いラブソング集を想像すると、ちょっとちがう(そのように聴けないこともないけれど)。このレコードから聞こえてくる幸せは、そんなドラマティックなものではなくて、もっと日常のちょっとした幸せ。例えば何だろ?街で偶然むかしの友達に会ったとか、昨日よりも桜が開いたとか・・・???
ギターのカッティングのすき間から、ミュートのきいたトランペットの余韻から、エレキピアノのちょっとしたフレーズから、「世の中ひどいけど、まだ最悪じゃない。よく見れば捨てたもんじゃないのよ」と、笑う彼女の顔がチラチラ浮かぶようだ。

さてさてこの4月は、近々もう一度、別のライヴでクアトロに行く予定。久々に(?)音楽ライフが充実しそうな春。今日の京都は桜日和。