悟りのマトリョーシカ

lo-tus2007-04-26


これ、ご存知マトリョーシカちゃん。
雑貨好きの女の子なら「かわいい〜」と絶叫するところでしょうが、僕の場合は「こいつ、悟ってるな」と、嫉妬にも似た感情が湧き上がってくるのです。もちろん「かわいい〜」というのも分からないでもありません。しかし・・・。
ロシアの民芸品として有名なマトリョーシカ。実はさほど伝統があるわけではなくて、初めて作られたのが19世紀なんだそうです。しかもそのルーツは、日本のダルマやコケシという説もある。
なるほど、この形は確かにダルマさんをそのままスマートに、西洋人体形にした感じ。丸くてなめらかなボディ、何度倒しても起き上がってきそうな不屈の安定感、そして壁に向かって9年坐禅を続けたとされる達磨大師の「禅」のスピリットが、小さな体に隠されている・・・。
さらに僕が嫉妬するのは、入れ子型構造。これは、大きな体から小さな体が出てくるという、人類やほかの生物が繰り返してきた「生命誕生の物語」でしょう。マトリョーシカは女性です。親から子が生まれて、子から孫へ、孫から曾孫へ・・・、気の遠くなるような生命のリレーを手のひらの上で体現してくれます。出てくるマトリョーシカが同じ顔をしているのは、きっとDNAの仕業です。最後だけ違う顔のマトちゃんが出てきたらドッキリですよね?
さらにですよ、地球や太陽のような惑星・恒星が集まって星団を形成し、それらが集まって銀河系を形成し、さらに銀河がたくさん集まって大宇宙を形成するという、宇宙の入れ子型構造までもマトリョーシカは見事にシミュレートしている!いやー、まいりました。パッチリ開いた青い瞳は、きっと何億光年の彼方を見ているはずです!
そしてマトリョーシカは、後にマンデルブローのフラクタル理論やミニマルアートにも影響を与えた・・・、というのはウソですけど。

今日は思わぬところまでイメージが飛躍してしまいました。これもマトリョーシカつぶらな瞳のせい。かわいい顔して、ホント侮れないな〜。
ではこのへんで ♪ポルシュカ・ポーレ


(左)「Nippon」という名前。よく見ると東京タワーや富士山を抱えてます。
(右)歴代政治家もマトリョーシ化!(エリツィン氏に合掌)。「書記長」って、懐かしいひびき。