たそがれ音楽

lo-tus2007-08-16


夏のドライブにと、その昔よく聴いていたイザベル・アンテナ「Hoping for Love 」の古いカセットテープ(いまだにこういうアナログ機器も愛用)を車に持ち込んだところ、思いのほか気持ちよく、ヘビーローテーションと化してしまいました。A面はアンニュイ感ただようJazz、Bossaボーカル集。B面はシャーデー風都会的ポップス。どちらかというと、A面のほうが圧倒的に良いです。
このアルバムは、1980年代にベルギーはブリュッセルのクレプスキュール・レーベルから出ていました。かれこれ20年ぐらい前のことですが・・・思い出しました。この「たそがれ」という意味を持つクレプスキュールというレーベルには、ホントにお世話になったなあ・・・なんて。今の自分の音楽的指向に少なからず影響を及ぼした、貴重なレーベル。最近はカフェ・アプレミディ・シリーズにも入ってますが、当時はそんなオサレな聴き方はしてなかった(だいたいカフェスタイルの店なんてほとんどなかったもんね)。
パンクやニューウェーブの尖った音に飽きてきた頃(それはロックに「たそがれ」を感じ始めた頃)、ベルギーから出てきた音は、ジャズ、ネオアコ、ネオ・クラッシックといった風味の心地よいポップス。当時英米で流行っていたものとは一線を画す香り高いサウンド、古くて新しいポップミュージックにグイッと魅かれたのでした。またニューヨークでもロンドンでもない、ブリュッセルという街の響きもステキだった・・・。
所属ミュージシャンは、ほかにもアズテック・カメラ、ミカド、ヤング・マーブル・ジャイアンツ、そしてドゥルッティコラム、ウィム・メルテンなどなど、ふり返るとスゴいメンバーばかり。それぞれ個性的でサウンドは違うけれど、共通のクールなセンスのようなものが感じられて、僕は彼らが大好きでした。
懐かしい、でも今こうして聴き直してみて、ぜんぜん古びていないことに驚くばかり。
夏の日差しが落ちてきて、ちょっと涼しくなった時間帯に聴くのがBetter。彼らが残してくれた音楽には、「たそがれ」というレーベル名の通り、昼でもなく夜でもない薄明かりの中にある、「夕暮れ」だけの美しい瞬間が込められているようです。

Hoping for Love (Rmxs)

Hoping for Love (Rmxs)