Nordic Modernism

lo-tus2007-10-01


「北欧モダンデザイン&クラフト」展を見に、京都市立美術館へ。北欧デザインがいいぞ、てのはずいぶん前から言われ続けていますが、これだけまとまった数を見られる機会も珍しいと思い、楽しみにしていました。シンプルで機能的、そして美しく大胆な形の家具や食器がたくさん並び、あらためて「ミッドセンチュリー、よろしいなあ」と思った次第です。「展示品に触れないでください」という注意書きがホントに恨めしかった。椅子の良さは、眺めるだけでは分かんないもんね。お尻で感じ取らなきゃ。
ところで今回、いろんな北欧デザインを見て、ひとつ発見したことが・・・。それは、今の日本の北欧ブームの礎を築いたのは、実はムーミンではないかと思うのです。ムーミン自身は一応カバと言われていて(違ったっけ?)、ムーミン谷にはミーのようなちょっといじわるな人間や、スナフキンみたいなボヘミアンや、かと思うとニョロニョロのような妖怪的存在もみんな一緒に違和感なく、厳しい自然に対峙して一つの世界を形成しています。この日本も一昔前はそんな感じで、八百万(やおよろず)の神といっしょに暮らしていたわけで、日本と北欧というのは精神的に似てるなと。お互い森林と木の文化を持っているし。だから日本人にとって、ムーミンの世界観はストレートに理解できるもので、多分この展覧会に来ている大人の何割かは(僕を含む)、子どもの頃ムーミンのアニメを見て影響を受けているはずです。そう、すでに北欧スタイルを受け入れる下地ができていた。その先駆けが・・・ねえムーミン???
家具や食器はライフスタイルの表現。実際日本の茶室に、ヤコブセンなんかの家具を置いても似合うでしょう。自然の取り入れ方とか、形の潔さとか、そういうセンスが近いから意外と違和感ないと思うんですけどね。
さてさて、数々の北欧のデザイナーの中でも、やっぱり異彩を放っているのがこの人、ヴェルナー・パントン。シンプルなだけじゃなくて、なんだかスペーシーでサイケデリックなセンスが好きだなあ(パントンチェアー、ウチにも一個だけあります)。その作風から、かなり変な人だったのではないかと察しますが・・・。