お茶のココロ

lo-tus2007-10-19

実は最近、密かに思っていることがあります。もうすぐ「茶道」がブレイクするのではないかと。いろいろと兆候はあって、例えば、少し前に出ていた雑誌「CASA BRUTUS 日本建築のデザイン基礎知識2」では、茶室や茶道が大々的に取り上げられていたし、地元京都の観光情報誌「月刊京都」さんも今「重森三玲 茶の精神と庭園美」というシブい特集を組んでいらっしゃる。近い将来「茶道オーラでキレイを磨く!」とか「モテるオヤジはチョイワル茶人」なんていう見出しが書店の雑誌コーナーを賑わす日も近い?????
ここ何年かで流行ったキーワード、例えば「癒し」とか「ロハス」とか「シンプル・モダン」とか、全て茶道の世界に当てはまるのではないかと思い、満を持して、いよいよ本格的に茶道がファッションになるではないかと見ています(ただし僕の予想はよくハズレますが)。
僕は茶道を習ったことはなくて、本当に素人なんです。でも「なんにもない部屋でお茶を飲む」という、ただそれだけのことが「道(どう)」になるんですから、日本の文化というのは大したもんだと思います。
しかしそれが素人考え。「なんにもない部屋」と書きましたが間違いです。質素に見える茶室のデザインにはすべて意味がある。それに、主人が出す茶道具や掛軸や生け花に至るまで、その茶会の趣旨や季節柄や主人の趣味に徹底的にこだわって、あの小宇宙は作られるんですね。招かれる側はちゃんとそれを理解しないといけない。
よく「お茶はもてなしの心」なんて言いますけど「もてなす」とは、茶道界の隠語ではないかとさえ思えます。裏の意味があります。お茶席は、招かれる客にも高度な教養、コミュニケーション能力と繊細な神経を要求される「マインド・ゲーム」ではないかと。主人は「どや?ワシの趣味ええやろ?ええやろ??」という感じで、たたみかけてくる。だから「もてなす」の本当の意味は「あなたを試す」・・・ですね。こんなマニアックな世界を初めて完成させた千利休さんには、「ルーツ・オブ・オタク」の称号を差し上げたい。
とりあえず僕も茶人という響きには、ちょっと憧れています。名刺の肩書きも「茶人」となっていれば、しばらくそれで盛り上がれそうです。いやいや、そんな俗っぽい話ではなくて、心静かに客をもてなす・・・そんな生活。習いたいんだけど仕事が忙しくて・・・なんて言っているうちは、茶人なんて無理ですね。せいぜい浮遊系喫茶マスターとしてがんばりたいと思います。