鳥と蜂

lo-tus2007-10-26


昨日は大阪クアトロの「the bird and the bee」のライヴへ。彼らのファーストアルバムが出た時、CDを1日中リピートしていたこともあるほど麻薬的な魅力のあるマジカル・ネジクレ・ポップミュージック。その音楽性をひと言で言うならば・・・
デビッド・リンチのプロデュースによるピチカート・ファイブ」あるいは
「60年代風ステレオ・ラブ」といったところか。
甘くて軽やかだけど、少しずつ毒が盛られていて、聴いているうちにoverdoseしている・・・そんな不思議な音です。初めてナマで見て、いろいろ驚きを見つけました。


★60sスタイル
ユニットのイナラ・ジョージ(あのローウェル・ジョージの娘さん)とグレッグ・カースティンを含めて、男女3人ずつの6人編成のバンド。イナラは、60sロリータ風ワンピースで、男性メンバーはすべてスーツにネクタイ姿というイデタチが何ともスタイリッシュでした。


★「お静かに」
オープニング、拍手とともに登場した鳥と蜂、イナラとグレッグ。グルーヴィーな曲でノセてくれるのかと思ったら、意外。初っぱなはアルバムラストに収録されている甘く妖しげなバラード「Spark」から。これはゼッタイ寝る前に聴きたい曲です。すごくいい曲。でも待てよ・・・オープニングで「夢の世界にいらっしゃい」と誘われているようで・・・それなら納得。自ずとリンチの映画が脳裏をよぎる。


★カバーの振れ幅
オリジナルアルバムはまだ一枚なので新曲やカバー曲にも注目しました。バカラックサンホセへの道」は「なるほど」。しかしトーキングヘッズ「サイコキラー」には意表を突かれました。この振れ幅が良い。彼らの音楽の「ねじれポップ感覚」は、いろんなタイプのポップスが同居する「振れ幅」から来ているんだなと実感。バカラックもヘッズも大好きな僕としては、このカバーにはニヤニヤしてしまった。


★ボールの演出
ボールはボールでもミラーボールじゃありません。ステージの後ろからシャボン玉がとび出してくる演出が。彼らの曲と相まって夢みたいな世界が展開。コロコロ転がるエレピの音や、パッパーパヤパヤ・・・の女性コーラスとともに浮遊感たっぷり。


全体をふり返ると、ちょっと演奏時間が短かったことに不満が残るところ。それから、レコードの音が良すぎて、ナマの音には少し物足りなさを感じたのも確か。しかし彼らはまだまだアルバム1枚の新人。これからもっと脂が乗っていくのではないかと期待してます。ちなみに「the bird and the bee」とは・・・少しセクシャルな意味を含んだ秘密の言葉なのだそうです。