CLARE & THE REASONS

lo-tus2009-02-11

京都・磔磔(たくたく)にクレア&ザ・リーズンズがやって来るというので、これは聴いておかなければ、と思い行ってきました。
架空の映画、あるいは過去に一度見ているけどタイトルが思い出せない古い映画があって、その幻のサウンドトラックを聴いているようなステージでした。去年出たアルバムタイトルは、そのもの「The Movie」。
全員赤の衣装に身を包んで登場した5人のメンバー。磔磔というのは古い酒蔵を改造したライブハウスで、かなり狭くて空気にも年季が入っているような小屋です。そんな京都の片隅の異空間に真っ赤な5人組がいるだけで摩訶不思議な図に。
ドラムはありません。そのかわりバイオリン、チェロが美しく響く、ゆったりドリーミーな室内楽ポップス。クレアの少女のような甘いボーカルが一番引き立つバンド編成。そんな夢のようなバンドが僕の3メートルぐらい前で、甘いサウンドトラックを奏でてくれるんですから、いやもう贅沢な夜になりました。
「The Movie」で、1枚思い出したレコードがあります。そう、タイトルがそっくりなあのアルバム・・・。実はホルガー・シューカイの「Movies」(1979)です。両者に共通するキーワードは「コラージュ」か。ホルガー・シューカイがアラブなんかの異国のイメージや音を超人的な嗅覚でコラージュしていったあの大傑作に対して、クレア&ザ・リーズンズがコラージュしたのは、トリュフォーヒッチコックジャック・タチetc.の映画の世界。
いつだって、MovieとMusicは相性が良いみたいですね。