Computer World

lo-tus2009-02-20

今月は僕の脳内では「手塚治虫大回顧展」が大々的に行われているわけですが、そこから枝葉が伸びるように、もう一つ回顧すべきものが出てきました。それは元祖テクノポップクラフトワーク。手塚作品の中でも、未来を描いた漫画、例えば「メトロポリス」とか「火の鳥 未来編」とかを読みながら、BGMにクラフトワークComputer World」を流してみたら、映画のサントラ盤の如く、驚くほどバッチリハマってしまいました。手塚治虫クラフトワーク。「マンガの神様」と「元祖テクノ」。今まで別個にあったものが、あるときひとつの線でつながるのは本当に楽しいことで、思わずポンとヒザをたたきました。両者とも、作品の世界観が似ているのではないでしょうか?
 コンピュータに支配された世界で、人間はどんな風に理性を保てるか?
 世界の終末をテクノロジーは救えるか?
 人とアンドロイド、あるいはアンドロイド同士の恋愛のあり方は?・・・

ところで「Computer World」を僕が初めて聴いたのは高校生時分だったので、収録曲の数々は通学の自転車で口ずさんでいたような覚えがあります。自分にとっては青春歌謡のようなもの。懐かしくもあるけれど、今聴いても温故知新。全然良いです。
あれから歳月が流れ、テクノ系音楽もすっかり多様化しましたが、クラフトワークがいまだに心に響くのは、ガツンとした楽曲スタイルのなせる業と思いました。頑ななまでに変えない。評論家の中には「進歩なし」といって酷評する人もいらっしゃいますが、今風に言えば「ブレない」、昔風に言えば「これでいいのだ!(byバカボンパパ)」という、強烈な自己肯定があればこそです。故・JBのファンクにも匹敵する発明だとも思います。(その証拠に、お互いサンプリングネタの宝庫ですよね。)
ピコピコ音やロボ声(Perfumeも影響下?)、ジャストビートなのにすごくファンキーなリズム、素朴とも言えるミニマルなメロディー、実験性とポップの同居、終末感+ユーモア、機械マニア・・・。クラフトワークを聴くと「やっぱりテクノって、こうでなくっちゃ!」と何度でも思い出し、そして納得します。・・・これでいいのだ。
♪ボクハ オンガッカ デンタク カタテニ・・・