Shadows and Light

lo-tus2009-07-01

最近ジョニ・ミッチェルの1980年のライブ盤「Shadows and Light」を聴いていたところ、BS放送でそのライブ映像が放映され(このアルバムは映像作品にもなっている)、嬉しい偶然にほくそ笑んでいます。彼女の奏でるクールなメロディー、サウンドが、僕は生理的に好きなのですが、このライブの時点でデビュー10年。フォーク、ロック、ジャズ、ブラックミュージクなどをフュージョンしたユニークな音楽世界を切り拓き、ひとつの山を登りきったような自信に満ちあふれたパフォーマンスが本当に素晴らしいしカッコイイです。後々に続く女性SSWの誰もがリスペクトする偶像が、このとき完成したんだなと思って感慨深く、最近のノラ・ジョーンズやメロディ・ガルドーなどもその正統派フォロワーなのでしょう。
「Shadows and Light」の見どころは本人のみならず、バックのすごさですね。若き日のパット・メセニー(G)、ジャコ・パストリアス(Bass)、マイケル・ブレッカー(Sax)などなど、超一流のジャズ系のミュージシャンを惜しげも無く起用しているところ。演奏は完璧なまでに上手いんですけれど、自分が前に出るのではなくそれぞれがバンドの一員に徹し、押したり引いたり「ある程度制御された自由」の中で音の掛け合いを楽しんでいるところ。お互いをリスペクトしあって音を作っている、余裕の空気がステージの上を満たしています。本当にハイレベルなメンツが揃って初めてできる夢のバンドサウンド
曲の合間にパットやジャコのソロの演奏の差し挟まれていて、一気にそれぞれのメンバーの音響世界に引き込んでくれます。しかしまあジャコ・パストリアスのベースは鳥肌ものですね。何時間でも聴いていたくなる。あの人、もしギターを持たせたら、そのままジミ・ヘンドリックスになりそうな気がします。惜しいですが・・・。
こういう「お姫さまライブ」を実現させた、ジョニ・ミッチェルはスゴイと言わざるを得ないし、ちょうど日本でいうなら、過去には矢野顕子さんがYMOをバックバンドに従えていた状況に似ていますね。つまり「才能ある女性は、真の贅沢を知っている」これ教訓。
♪ In France They Kiss On Main Street