青春のスリラー

lo-tus2010-01-28

マイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」DVD発売に合わせて、NHKで昨夜放送されたSONGSのマイケル特集を見ました。「THIS IS IT」には「まさにこれだ!」という意味と「これで最後だ!」という二つの意味があるそうで、まさに両方とも当てはまる素晴らしいタイトルなのですが、亡くなる前からこのタイトルに決まっていたことに驚きます。
マイケル・ジャクソンの天才を一番感じるのは体の「キレ」ですね。一つ一つの動きに「ビート」が宿ってます。あんな動きができる彼は、きっと宇宙人ですよ。例えばムーンウォーク自体は、出来る人は地球上に大勢いるけれど、あれほど躍動的で、体重を感じさせず、1歩1歩にビートを込められる人ってほんの一握りでしょう。昨日は「ビリージーン」のライブシーンもありましたが、何度見ても、テレビの前でも、思わず「うわ〜」と声をあげてしまいます。
マイケルを一番身近に感じていたのは、僕の場合はやはり高校時代。リアルタイムでアルバム「スリラー」を聴いたり、学校の掃除の時間をサボっては、みんなでバカみたいにムーンウォークの練習にいそしんだという(しかしムーンウォークはおろか、エビの後ずさりにしか見えなかった)青春の1ページにマイケルがいます。そしてその頃、スリラーのミュージックビデオを深夜のMTVかベストヒットUSAで見て強烈な衝撃を受けました(いまだにあれを超える音楽ビデオはない!)。そこで、久々に観たくなって、番組終了後YouTubeでフルバージョンを観賞することに。
今見てもびっくりするほど、ものすごく凝った作りですし、第一アイデアが凄すぎます。「ゾンビが踊る」、このコンセプトだけで成功は疑いないものになったでしょう。例えば吉本新喜劇でいえば、杖をついたお婆さんが全力疾走るぐらいのウケが保証された「あり得ない図」です。個人的には、ダンスするゾンビの幽霊ハンドが左右にスイングするフリなど大好きで、あのシルエットがしっかりと刷り込まれてしまいました。だだカッコイイだけじゃなくて驚きと可笑しみがいっしょになって、何とも形容しがたい空前絶後の作品だったと、見終えた後あらためてため息が出ました。
「スリラー」や、そして「ウイ・アー・ザ・ワールド」以降、大人になるにつれて自分の中ではマイケルのことをどんどん忘れ、たまにスキャンダルなどのたびに顔を見る程度になっていましたが、微熱を帯びた洋楽好きの少年の胸に、何か熱いものを残してくれたアーティストであることは確か。そしてあの頃が、マイケルにとっても一番熱い時期ではなかったでしょうか?天才が一人消えてしまったことは本当に残念に思います。
最後に2つ言わせていただきます。
・ビリージーンはパフォーマンスを含めて名曲です!
・マイケルは、自然な肌のほうが美しかった!